債務整理(任意整理)の費用は?相場や払えない場合の対処法と費用の抑え方をご紹介

2023.12.14
債務整理(任意整理)の費用は?相場や払えない場合の対処法と費用の抑え方をご紹介

借金の返済ができいないときの手段となる債務整理。債務整理には主に任意整理、個人再生、自己破産、過払い金請求の4つがあります。

ここでは、裁判所を通さずに比較的短期間で終えることができる任意整理を中心に解説します。費用や特徴、メリット・デメリットなど、ぜひ参考にしてください。

当記事は借金の返済で困っている方や、債務整理を検討している方におすすめです。

目次

借金が返せないときに使える借金救済制度=債務整理とは?

借金救済制度の1つ、債務整理とは

借金は返さなければいけないものですが、返済額が膨らんだり収入が減ったりすると返済が難しくなることもあります。

そこで知っておきたいのが、国が認めた借金救済制度「債務整理」です。

債務整理を利用すれば、借金を減額・免除することができます。

債務整理は4つの方法に分けられます。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産
  • 過払い金請求

どの手段を選ぶかについては、その人の状況や借金額などにより異なります。

債務整理は、借金に苦しむ人を助けるために設けられた制度です。正当な方法であり、違法なもの・怪しいものではなく安心して利用できます。

任意整理は裁判所の手続き不要!条件やメリット・デメリットは?

任意整理のメリットデメリット
ここからは、この記事のメインテーマでもある任意整理について詳しく紹介していきます。

任意整理とは

将来の支払い利息分をカットし、残りの借金額を3~5年で分割して返済するもの

任意整理を行うことで、利息分の返済が減るだけでなく、返済期間が長くなることで毎月の返済負担を軽減することができます。

また、任意整理は裁判所を通すことなく借入先(債権者)と直接交渉することができます。

手続きの流れは次の通りです。

①弁護士・司法書士に相談
②受任通知の送付
③利息の引き直し計算
④債権者と交渉・和解
⑤返済再開・完済

任意整理は弁護士・司法書士に依頼することなく個人で行うこともできます。

任意整理を利用するための3つの条件

任意整理は、誰でも必ず行える債務整理ではありません。主な条件として、次の3つをクリアする必要があります。

  • 安定した収入があり原則3~5年以内に完済できる見込みがある
  • 借金返済の実績がある
  • 月々の返済額が手取り収入の2~3割に収まる

任意整理は、支払い利息分だけがカットされるだけであり今後も返済は継続します。ですから、安定した収入があり今後は確実に返済できることが条件となるのです。

安定した収入は、正規雇用でなくても構いません。アルバイト・パートでも、毎月一定の収入があればOKです。

また、借りてから1度も返済していない、数回しか返済していないなど借金の返済実績がない場合は借入先が交渉に応じてくれない可能性が高いので注意しましょう。

任意整理は将来の支払い利息をカットできるのが最大のメリット

任意整理は、将来支払う利息をカットすることで借金総額を減額することが最大のメリットです。

他のメリットとしては、以下が挙げられます。

  • 裁判所を通さないため何度でも任意整理ができる
  • 家族や会社に知られずに手続きできる
  • 特定の借金だけを選んで任意整理が出来る(車や住宅ローンを除くことができる)

任意整理は、すべての借金を対象としたものではありません。借金それぞれに対して交渉を行うものであり、任意整理をする借金を選ぶことが出来ます。そのため、住宅ローンなどを除外し、家を手放すことなく借金の減額できるのも魅力です。

借入先と直接交渉するため、家族など第三者に知られる心配もないでしょう。

任意整理は大きく元金を減らすことができないのがデメリット

任意整理では将来の支払い利息をカットすることができますが、元金自体を減らすことはできません。そのため、大きな減額が望めないのはデメリットになります。

その他のデメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • ブラックリストに載る
  • 任意整理に応じてもらえるとは限らない

任意整理を行うと、個人信用情報に事故情報が登録される「ブラックリスト」扱いになります。

ブラックリスト扱いになると、任意整理での完済後5年間はクレジットカードやローン審査に通ることができません。場合によっては、スマートフォンの割賦契約や賃貸マンション・アパートの契約も難しくなるでしょう。

また、任意整理はあくまでも借入先との交渉によって行うものです。借入先が応じなければ希望する条件での合意はできません。また、不利な条件を提示されることもあるので注意が必要です。

ただ、任意整理で過払い金が発生し、その過払い金で借金が完済できる場合は、ブラックリストに載らない可能性が高いです。完済できずその後も借金が残る場合はブラックリストに載ります。

任意整理できないケースと解決法とは

借金を一度も返済していない場合は、しばらく返済実績を作ってから任意整理を希望するなど対応を検討してみましょう。

借金額が大きすぎて任意整理をしても完済が見込めない場合も、任意整理が出来ません。このケースでは、任意整理ではなく他の債務整理を検討することがおすすめです。

また、生活保護費を借金返済に充てることができないため、生活保護を受給している場合も任意整理はできません。借金返済が苦しいのであれば、自己破産を検討することになるでしょう。

任意整理は個人で借入先(債権者)と話をすることができますが、素人だとどうしても任意整理に応じてもらえなことがあります。また、利息の引き直し計算を自分で行わなければいけないのも手間です。

任意整理を希望する場合は、まず弁護士、司法書士などに相談し、手続きを行ってもらうようにしましょう。

任意整理の費用はどのくらい?気になる相場とは

任意整理の費用
任意整理には、どのくらの費用がかかるのでしょうか。

必要となる費用には、以下のものがあります。

内容 相場
実費 書面の郵送代
収入印紙代
1件当たり数千円
弁護士費用 着手金
報酬金
5万円~15万円程度

実費としては、書面の郵送代や収入印紙代などがあります。債権者の数が多ければ多いほど増えるため、件数によっては1万円を超えることもあるでしょう。

弁護士費用には着手金と報酬金があります。着手金は弁護士に依頼をした際に必ずかかるものです。債権者1社ごとにかかります。報酬金は借入先との合意が成立した際にかかるものであり、こちらも1社ごとにかかります。

債権額が減額できた場合は、減額報酬として利益の10~20%前後を支払うこともあります。

また、弁護士費用は事務所によって大きく異なります。

着手金 減額報酬・その他費用
弁護士法人
アディーレ法律事務所
44,000~66,000円 11%
22,000円(解決報酬金)
アヴァンス法律事務所 44,000円 11%
法テラス 33,000円 10,000円(実費)

借入先の件数や回収金額が大きければ大きいほど必要となる支払わなければいけない費用は高額になっていきます。相談時にしっかりと見積もりを出してもらうことが大切です。

費用を抑えるのであれば、法テラスを利用することも検討しましょう。法テラスは収入が資産が一定以下の場合に利用できる民事法律扶助制度があります。

民事法律扶助制度では弁護士の費用を法テラスに全額立て替えてもらうことが可能となります。また、債権者1社あたりの着手金や実費が明確であること、減額報酬金がかからないことから、費用を抑えることができます。

ただし、法テラスを利用しても過払い金が発生した場合は報酬金がかかってきます。

弁護士に依頼せずに個人での手続きもできますが、弁護士に依頼すれば交渉は弁護士に依頼できます。また、弁護士に依頼した時点で受任通知を送ってくれるので、和解成立までの期間は返済しなくて良い、返済が中断できるメリットもあります。

利息の引き直し計算など個人で行うのは面倒ですので、費用がかかっても専門家に依頼するのがおすすめです。

弁護士費用が支払えないときは分割払いを相談しよう

弁護士費用は最低でも数万円かかることがあり、一括で支払うのが厳しいこともあるでしょう。

弁護士費用が支払えないときは、分割払いに対応している法律事務所があります。ただし、分割払いの回数は決して多くはなく、自由に設定するのは難しいでしょう。

借金について相談する段階で分割払いや後払いができるかなど、確認しておくと安心です。

弁護士費用の支払いと毎月の借金返済が重なってしまえば費用の捻出は更に厳しくなるでしょう。タイミングをずらすことも検討すると良いでしょう。

借金元金が140万円以下なら司法書士に相談することもできる

任意整理は司法書士に依頼することもできます。司法書士に依頼すると、弁護士よりも割安で依頼できるメリットがあります。

司法書士の中でも、法務省の認定を受けた認定司法書士だけが任意整理などの代理人となることができるのです。

ただし、司法書士は借金が140万円を超える場合は対応できません。また、この金額は1件ずつの条件であり、A社から100万円、B社から50万円の借金があり合計が150万円になっても問題ありません。

また、この上限は過払い金にも適用されます。過払い金が140万円を超えてしまった場合は司法書士は担当出来ないため、弁護士に依頼しなければいけません。

弁護士と司法書士どちらに依頼するかどうかは、費用だけでなく借金額や想定される過払い金請求額に応じて決めると良いでしょう。

任意整理以外の債務整理の特徴やメリット・デメリットを比較

任意整理以外の債務整理の特徴
任意整理について詳しく紹介してきましたが、債務整理には他にも3つの方法があります。

  • 個人再生
  • 自己破産
  • 過払い金請求

ここでは、それぞれの手続き条件、特徴、メリットやデメリットについて解説します。

個人再生は借金額を5分の1程度まで減額できる

個人再生は、今ある借金を5分の1~10分の1ほどまで減額してもらうことができます。

個人再生は住宅ローン特則があり、住宅ローンを今後も返済することを条件に家を手放すことなく住宅ローン以外の借金減額が可能となるのです。

個人再生の流れは次の通りです。

①弁護士・司法書士に相談
②受任通知の送付
③利息の引き直し計算
④申立て書類作成
⑤裁判所に申し立て
⑥再生手続き開始決定
⑦裁判所に再生計画案を提出する
⑧債権者による決議と意見聴取
⑨裁判所の認可または不認可決定
⑩返済開始

個人再生は過払い金調査や債務者の収入調査、裁判所への申し立てが必要となるため弁護士・司法書士に依頼します。

メリット ・借金を大きく減らすことができる
・住宅を手放さなくて良い
デメリット ・手続きに時間がかかる
・住宅ローンを除くすべての借金が対象となる
・ブラック扱いになり官報にも掲載される
・裁判所を通さなければいけない
かかる期間 ・手続きに1年、返済に3年かかる
費用目安 ・50万円~80万円程度

個人再生は住宅ローン以外の借金をすべて手続きに含めるため、家族に内緒にすることは難しいでしょう。

また、個人再生は事故情報として個人信用情報に登録されるため、ブラック扱いとなります。5年間はクレジットカード、新規ローン契約は困難です。

任意整理と異なるのは、官報に掲載されるという点です。国発行である機関紙は毎日発行されており誰でも閲覧できるため、それをチェックすれば氏名や住所などが知られてしまいます。

ただし、官報を一般の人が目にすることはほとんどないため知り合いにバレる可能性は低いと考えておきましょう。

自己破産は借金が全額免除となる

自己破産は支払い不能状態であることを裁判所に認めてもらうことで、税金や養育費などを除くすべての借金を免除してもらう手続きです。

自己破産の流れは次の通りです。

①弁護士・司法書士に相談
②受任通知送付
③申立て書類作成
④裁判所に自己破産申し立て
⑤裁判所で破産審問
⑥破産手続き開始決定
⑦財産が無い場合:面積審問後免責許可の決定
⑦一定以上の財産がある場合:破産管財人による財産調査・債権者集会を経て免責許可の決定
⑧免責許可決定/不許可決定

自己破産では申立後に裁判所で面接を行い、資産額や借金額などの調査を行います。借金の理由がギャンブルなどの場合は免責が認められないこともありますので注意が必要です。

一定以上の財産がなければ、破産手続き開始決定と同時に免責手続きとなります。

しかし、一定以上の財産があれば資産価値などの調査が行われ、債権者への返済に充てられます。

メリット ・借金がほぼゼロになる
デメリット ・手続きに時間がかかる
・すべての借金が対象となり債権者を選べない
・ブラック扱いになり官報にも掲載される
・裁判所を通さなければいけない
・一定の資格、職種が制限される
・財産を失ってしまう
かかる期間 ・手続きに1年~2年程度かかる
費用目安 ・30万円~130万円程度

自己破産も個人再生と同様に個人信用情報に事故情報が登録されブラック扱いとなる、官報に掲載されるというデメリットがあります。個人再生と異なるのは、ブラック登録期間が自己破産の場合10年となる点です。

自己破産ならではのデメリットとしては、すべての借金が対象となるため住宅なども手放すことになります。車や株式など20万円以上の財産が対象です。

ただし、99万円以下の現金や衣服、家具、寝具などは処分されることはありません。

また、自己破産をすると破産手続き期間の資格、職種が制限される点にも注意が必要です。

  • 弁護士、司法書士などの士業
  • 保険外交員
  • 警備員
  • 公証人
  • 不動産鑑定業者
  • 質屋
  • 旅行業者

これらの資格、職種に該当する方は気を付けておきましょう。ただし、一生この仕事ができないわけではなく、再申請や再度選任される、登録の取り消しや停止手続きが行わないなどの条件を満たせば復帰することができます。

過払い金請求で払い過ぎた利息を返してもらうことができる

過払い金請求は、消費者金融やクレジットカードを利米須板際に上限を超過する金利で返済していたお金を返してもらう手続きです。

過払い金請求の流れを見てみましょう。

①弁護士・司法書士に相談
②受任通知の送付
③利息の引き直し計算
④借入先への返還請求
⑤借入先との返還交渉
⑥合意書の取り交わし
⑦過払い金返還

過払い金請求は借金そのものを減らす手続きではありませんが、返還されたお金を借金の返済に充てることが出来ます。

メリット ・払い過ぎた利息が戻ってくる
・裁判をしないで済む
・借金完済後の手続きであればブラックにならない
・周囲に知られる可能性が低い
デメリット ・借金返済中の過払い金請求はブラック扱いになる
・時効が成立すると過払い金が請求できない
・倒産している会社に返還請求ができない
かかる期間 ・1年程度
費用目安 ・10万円程度(成功報酬により変動)

過払い金請求をすることで借金が完済でき、さらにお金が戻ってくることがあります。この場合は、手続き期間の1年は事故情報が登録されブラック扱いとなります。

また、過払い金請求をして過払い金が戻ってきても完済できずに借金が残れば、手続きを含めて5年間事故情報が登録されてしまいます。

過払い金請求には時効がありますので、最後の取引から10年が経過する前に手続きすることが大切です。

過払い金請求にかかる費用は、着手金で2~4万円程度です。しかし、過払い金が返ってきた場合は20%~25%を成功報酬として支払う必要があります。

税金は債務整理対象外でも奨学金は現実的に債務整理は難しい

債務整理では、あらゆる借金を減額・免除することができます。しかし、債務整理が利用できない、実質的に減額や免除が難しいものがあります。それが、税金と奨学金です。

それぞれの返済について解説していきましょう。

税金は債務整理できないので他の借金を整理することが大切

税金は債務整理で減額・免除できないものです。

すべての借金の支払い義務が免除される自己破産においても、税金は非免責債権となり免除されません。

そもそも税金は国民の義務です。税金そのものだけでなく、加算税や延滞税も免除されることはないと覚えておきましょう。どうしても税金が支払えない場合は税務署や市区町村に相談し、分納や猶予を相談しましょう。

ただし、税金以外の借金を債務整理によって減額・免除することにより返済負担を軽くすることはできます。

どのような方法で今の生活を楽にすることが出来るか、税金をきちんと支払うことができるか、早めに専門家に相談することが大切です。

奨学金は債務整理できるが連帯保証人に返済義務が生じてしまう

奨学金自体は債務整理をすることによって返済の減額や免除の手続きを進めることはできます。

しかし、奨学金を任意整理しても効果が少ない可能性が高いです。任意整理は、もともと返済期間が一般的に長期間で設定されているので、返済期間が延長ができても、毎月の返済額を大幅に減らせる可能性は少ないためです。

また、日本学生支援機構(奨学金の債権者)は、延滞金や利息のカットに応じないと言われているようです。更に、もし利息カットに応じてくれても奨学金はもともと利率が低いため、結局大きな減額は期待できないのです。

また、奨学金には必ず連帯保証人、保証人が必要です。奨学金の債務整理をしても、返済義務が連帯保証人、保証人に移るだけであり、連帯保証人や保証人に迷惑をかけてしまうことになります。

ただ、奨学金以外にも借金を持っているという人の場合、保証人に対して迷惑をかけずに借金整理ができるかもしれないのが、任意整理です。任意整理は、手続きする債権者が選べるため、「奨学金以外」の借金を任意整理することで、保証人に迷惑をかけずに借金減額することが可能だからです。

個人再生や自己破産は、手続きする債権者を選べす全ての債務が手続き対象となるため、保証人に一括返済を求められる場合があるためやはり迷惑がかかってしまいます。

借金が奨学金だけであれば、返済金額の減額返還制度または返還期限の猶予制度の利用を検討することもできます。

そうでなくて、奨学金の他に借金があれば、それらを債務整理をして奨学金を返済するというのが現実的でしょう。

自分の借金が減額できるかを調べる【借金減額診断】とは

自分の抱えている借金が減額できるか知りたい、でもいきなり弁護士や司法書士に相談するのは抵抗がある、そんな方におすすめなのが、借金減額診断や借金減額シミュレーターです。

借金減額診断・シミュレーターは、主に3つの項目を入力するだけで借金が減らせる可能性があるかどうかを診断してくれます。

  • 借入金額
  • 借入期間
  • 返済状況

この3つの項目だけで、月々の返済額を減額できるかどうか瞬時に結果が出るようになっています。

シミュレーション後、メールアドレスや電話番号、名前や年齢などを入力することで、より詳細な相談をすることも可能です。

無料で利用できる借金減額診断のメリットは?

インターネットで検索すると、多くの借金減額診断・シミュレーターを見つけることが出来ます。

借金減額診断は、基本的に無料で利用することが出来ます。個人情報を入力する必要はないため、借金減額診断・シミュレーターを利用しただけでは個人情報が知られる心配はありません。

弁護士や司法書士に相談をするまでではないが、とりあえず減額の可能性を知りたいと思った方でも簡単に調べることができます。

また、多くの借金減額診断・シミュレーターは法律事務所や司法書士事務所が運営しています。安心して利用できるのも、借金減額診断・シミュレーターのメリットとなるでしょう。

正確な診断が出るとは限らない借金減額診断のデメリット

借金減額診断は無料で簡単に利用することが出来ますが、デメリットもあります。

1つは、その結果があくまでも簡易的なものであり、正確なものとは限らないという点です。正確な結果を知りたい場合は、実際に弁護士や司法書士に詳細を伝えることが必要です。

また、簡易診断でもメールアドレスなどの情報入力を求められた場合、連絡や勧誘が届く場合もあります。

法律事務所が運用していない診断やシミュレーターの場合、情報を悪用する詐欺業者の可能性もあります。費用を請求する、住所などの情報を求められる場合は利用しないよう注意しましょう。

借金に悩んだら弁護士や司法書士に相談を!他の相談先もご紹介

借金に悩んだら、1人で抱え込むのではなく出来るだけ早く相談することが大切です。

家族や身内、友人、知り合いに相談してみたり、会社、職場の人に相談してみるのもありですね。その際には近い間柄とはいえ、のちの金銭トラブルを防ぐためにも、必ず借用書を作成することを忘れないようにしましょう。

家族や周囲には頼りたくない、バレたくないなどという場合は、公共機関や弁護士、司法書士など信頼できるところや専門家に相談しましょう。

借金で悩んでいる人は相談料を気にするかもしれませんが、借金問題については無料で相談できるところも多くあります。

ここでは、おすすめの相談先とその特徴について紹介します。

弁護士・司法書士に相談すると債務整理手続きがスムーズに行える

弁護士や司法書士に借金について相談をすると、今ある借金をいくら減らすことができるか、過払い金が戻ってくる可能性があるかに加え、自分に適した債務整理方法についてのアドバイスを受けることができます。

債務整理をする場合はスムーズに依頼できるのもメリットです。ただし、相談した弁護士や司法書士にそのまま依頼をしなければいけないわけではありません。

弁護士や司法書士は、メールや電話、面談など様々な方法で相談を受け付けています。

相談料も借金の相談であれば無料で引き受けていることが多く、初回相談は無料としているケースもあります。

相談料がかかる弁護士・司法書士事務所もあるため、慎重に選ぶと良いでしょう。

また、弁護士や司法書士なら誰でも良いわけではなく、債務整理に強い弁護士・司法書士がいます。実績が豊富であること、債務整理費用が明確であることなどをポイントとして判断するようにしましょう。

  • 問い合わせ先:弁護士会の法律相談センター、司法書士会の総合相談センター

参考:日本弁護士連合会:全国の弁護士会の法律相談センター

市役所や区役所の法律相談は住民向けに無料で開催

市区町村で行っている法律相談は、地域住民を対象として無料で開催されています。

弁護士が対応していることも多く、直接相談、アドバイスがもらえるメリットがあります。

ただし、自治体の法律相談は相談美や時間が限られており、予約制の場合はあっという間に埋まってしまうこともあります。

相談時間も30分程度と限られていることが多いので、相談内容をまとめて資料なども用意しておくことが大切です。

  • 問い合わせ先:各自治体

消費者ホットライン188は各自治体の消費生活センターに設置

消費者ホットライン188は、電話相談窓口となっており188に電話することで最寄りの消費生活センターの相談窓口を紹介してもらえます。

電話番号が1つなので迷うことなく問い合わせができるのは便利です。また、借金問題だけでなく悪質商法、製品やサービスなど様々な相談をすることができます。

  • 問い合わせ先:188(月曜~金曜の9時~17時、土日祝の10時~16時)

参考:消費者ホットライン | 消費者庁

法テラスは無料法律相談、弁護士・司法書士費用の分割払いが可能

法テラスは問い合わせ内容によって法制度や相談先を紹介する国が設置した公的機関です。法テラスは全国に事務所があり、メールや電話、面談での問い合わせも可能です。

法律相談後に弁護士への依頼を決めても、費用が心配で申し込めない人もいるでしょう。法テラスでは、経済的に困窮している方を対象に弁護士・司法書士費用を立て替える制度を用意しています。

  • 収入等が一定額である
  • 勝訴の見込みがないとは言えない
  • 民事法律扶助の趣旨に適する

これらの条件をクリアすれば、立て替えを依頼することができます。立て替えてもらった費用は法テラスに分割で返済できるので、無理なく弁護士・司法書士に依頼することができます。

  • 問い合わせ先:公式サイト、電話(平日9時~21時、土曜9時~17時)

参考:法テラス 公式ホームページ

全国銀行協会のカードローン相談窓口で無料のカウンセリングが受けられる

全国銀行協会では、銀行カードローンの利用者を対象とした無料のカードローン相談やカウンセリングを行っています。

ただし、カウンセリングサービスは全国で行われているわけではなく、東京と大阪の2拠点となっています。事前に予約をした上で、電話または面談でカウンセラーに相談が可能です。

銀行との取引があり、銀行商品のローン返済が苦しい人が対象となっているので注意しましょう。

  • 問い合わせ先:カードローン相談・苦情窓口(月~金の9時~17時)

参考:カードローン相談・苦情窓口とは | 全国銀行協会相談室・あっせん委員会 | 一般社団法人 全国銀行協会

任意整理のサポートも行う日本クレジットカウンセリング協会

日本クレジットカウンセリング協会では、多重債務者を対象として無料の電話相談に応じています。

電話相談後、必要に応じてカウンセリングを実施。弁護士や消費生活アドバイザー、臨床心理士などと話をすることが出来ます。

また、希望をすれば任意整理をサポートしてくれるのも特徴で、無料で手続きしてくれます。

  • 問い合わせ先:多重債務ほっとライン(月~金の10時~12時40分、14時~16時)

参考:多重債務ほっとライン|JCCO 日本クレジットカウンセリング協会|借金のお悩み相談無料

借金を返さずに強制執行・給与差し押さえになるのは最短3か月!

借金が返せないと、最終的に給与が差し押さえられてしまいます。ただし、滞納してすぐに差し押さえられるわけではありません。

借金が返せないと何が起こるのか、順を追って説明します。

①電話やメールなどで返済に遅れていることを知らせる通知が届く

借金の返済が遅れると、返済が行われていないことを知らせる通知が届きます。電話やメール、ハガキなど、手段は借入先によって異なります。

このとき、返済を忘れていただけであればすぐに指定された方法で返済するようにしましょう。すぐに返済ができないのであれば、いつなら返済できるのか、いくらなら返済できるのかを伝え、今後の返済について相談することが大切です。

②催告書や一括請求通知が届く

滞納を続けていると、2・3ヶ月程度で借入先から催告書や法的予告通知、一括請求通知が届きます。これらは返済の最終勧告です。

一括請求の通知は、滞納額を含めた借入額、遅延損害金を含めた全額を一括で支払えというものです。滞納することで分割返済の権利を失うため、借入先は一括返済を求めることができます。これを、期限の利益喪失と言います。

③支払督促が届く

返済が苦しいから滞納しているのに一括返済なんて出来るはずはありません。ですから、返済できない状態が続くと自然と支払督促が届くことになります。

支払督促が届いた場合は、2週間以内に裁判所に対して異議申し立てを行う必要があります。これが、差し押さえ、強制執行を止めることが出来る最後の手段です。

異議申し立てをしなければ、裁判所から仮執行宣言付支払督促が届き、借入先による差し押さえが可能となります。

④財産が差し押さえられる

財産を差し押さえるために、裁判所を通して手続きが行われます。支払督促から最短1ヶ月で差し押さえの強制執行が可能となり、事前の告知はなく突然行われます。

差し押されられる財産としては給与をイメージする方が多いかもしれませんが、それだけではありません。

  • 手取り給与の4分の1、または33万円を超過したもののうち高い方
  • 一定以上の現金(66万円を超えるもの)、預貯金、生命保険
  • 車、バイク
  • 貴金属、骨とう品
  • 土地、建物

現金は66万円を超えるものが差し押さえ対象ですが、預貯金は差し押さえ限度額がないため基本的には全額が差し押さえ対象となります。

土地や建物、車なども差し押さえられてしまいますが、家具やキッチン用品、寝具、衣類など生活に必要なものは対象外となるので安心してください。

これらの手続きが滞納から最短3か月で行われてしまうため、早めに弁護士や司法書士に相談するなどして対策をとることが大切です。

借金返済が厳しい場合は一本化や繰り上げ返済で支払い利息を削減できる

借金の返済が厳しいときに、専門家に相談して債務整理をする前に自分で出来る対策もあります。

ここでは、5つの対策を紹介しましょう。

借金を一本化・おまとめローンを利用して支払い総額を減らす

借金をすると完済まで1日ごとに利息が発生しています。借金は、元金に利息を加えた金額を返済しなければいけません。この支払い利息を減らす方法として挙げられるのが、一本化やおまとめローンです。

借金の一本化、おまとめローンは、複数の借金を利息が低い借入1本にすることにより、従来よりも利息分の支払い総額を減らすというものです。

複数の借金がある場合、支払い利息の設定がそれぞれ行われています。A社では20%、B社では18%で借入をしている場合、B社の借金にA社をまとめられたらA社に支払う予定だった利息を20%→18%まで減らすことができます。

また、A社とB社の借金を合わせて新たにC社(利息15%)が行っているおまとめローンに借り換えた場合、A社で支払う予定だった利息は20%→15%に、B社で支払う予定だった利息も18%→15%へ減らすことができます。

このように、複数の借金をまとめることは金利差の分だけ返済総額を減らすメリットがあるのです。

複数の借金を合わせた合計額が高額になり総量規制を超えるようなケースでも、おまとめローンや一本化は総量規制の対象外となっていますので安心して利用できます。

ただし、1社からの借入が高額になるため返済能力がなければ審査に通ることはできません。

繰り上げ返済や一括返済をして支払い利息分を減らす

支払い利息を軽減する方法に、繰り上げ返済や一括返済もあります。繰り上げ返済をして返済期間を短くすることにより、将来利息を減らすことができます。

また、一括返済をすればその日以降に支払う予定だった利息の分が削減できます。ただし、繰り上げ返済や一括返済をする際には手数料がかかる場合があります。その際は支払う手数料と削減できる利息どちらがお得かを考える必要があります。

ただ、基本的に将来の支払い利息が減るのはメリットとなりますので、借金が1件だけしかない場合はぜひ検討しましょう。

複数借金があれば金利が高いものを先に完済する

複数の借金がある場合、金利が高い借金を先に完済することで返済負担を減らす方法もあります。利息が低い借金だけが残れば、支払い利息の負担が軽減されるでしょう。

1つの借金を完済するだけの資金・余力がある場合はおすすめです。難しい場合は、おまとめローン・一本化を検討しましょう。

収支を見直して固定費の削減を検討する

毎月の収支の中でも、削減できるものがあるかもしれません。支出が減れば、それだけ生活に余裕が生まれます。

食費や娯楽費を削減するのは簡単ではありませんが、固定費であれば比較的削減しやすくすぐに結果が出ます。

固定費としては、以下のものが挙げられます。

  • 携帯料金・インターネット料金
  • 保険代
  • 家賃

毎月一定額がかかる固定費は、プランや商品を見直すだけで削減できる場合がほとんどです。特に、保険は加入から年数が経過すると保証が充実した新しいプランが安く出ている場合があります。保障内容を見直すのも良いタイミングだと考えましょう。

家賃は毎月の支出の中で大きな割合を占めるものですから、安いところに引っ越せれば大きな支出削減が期待できます。ただし、引っ越し費用や敷金・礼金などの一時的な支出が発生しますので注意が必要です。

フリマアプリなどを利用して収入を増やす

今の仕事の給料をすぐに上げるのは難しいので、収入を増やすのであれば不用品を売却するフリマアプリやリサイクルショップを活用するのも良いでしょう。

フリマアプリを利用する際は価格や商品のトラブルが起こらないよう、不具合があればそれも含めた商品の写真を用意し、しっかりと説明することが大切です。

借金をするときは総量規制が目安になる!100万円を超えないことも大切

借金をするとき、いくらまでであれば返済に苦しむことなく完済できるのでしょうか。

個々人によって毎月の支出や収入は異なりますので一概には言えませんが、次の2点を目安にすると良いでしょう。

  • 総量規制
  • 100万円

それぞれの目安について紹介します。

総量規制は返済可能な金額の目安になる

総量規制とは、貸金業法内に定められている個人への貸付可能上限額を示すものです。

総量規制があることにより、貸金業者からの借入は年収の3分の1を超えることはできません。

この上限は、お金を借りすぎて返済に苦しむ人を減らす目的で定められました。年収の3分の1を超えなければ、無理なく返済できるであろうと判断したいのです。

事実、総量規制が施行された2010年6月以降では、多重債務者や自己破産者は下記の通り大きく減少しています。

減少人数
5件以上の多重債務者 171万人(2007年3月末)から12万人(2016年3月末)
自己破産者 16万5,932件(2006年)から6万3,844件(2015年)

総量規制の金額を目安と考えておけば、多重債務や自己破産のリスクを避けることができるでしょう。

100万円という大台に乗るかどうかも1つの目安

借金の金額を考えるとき、99万円と100万円では心理的な負担が変わってきます。ですから、100万円を超えないかどうかも1つの目安として考えておくと良いでしょう。

ただし、この100万円という金額は個人によって収入に占める割合が異なります。無理なく返済するための目安としては、総量規制とセットで考えることをおすすめします。

借金返済に困っても借金を繰り返すのはNG!踏み倒しも現実的ではない

借金の返済が苦しい、今月は間に合わない、そんなとき、どのような方法が思い浮かびますか。

  • とりあえず無視する
  • 新たに借入をして返済に充てる

どちらも借金返済のNG行為です。

返済を無視した場合、返済が1日遅れるごとに遅延損害金が発生するため借金がどんどん増えてしまいます。また、返済できないからと新たに借金をした場合も、そのときは助かるだけで翌月以降の返済に追われることになり、根本的な解決にはなりません。

借金返済が苦しいときに取るべきベストな方法は、「借入先に相談する」ことです。

借入先に相談することにより、返済期日を伸ばしてもらう、とりあえず利息だけ支払うなどの対策をとることができます。

返済遅れに気付いていながら無視をし続けると、借入先に対して悪い印象を与えてしまいます。返済の意思があることを示し、対応について考えることが大切です。

負担を減らすためクレジットカードのリボ払いに頼るのも危険

借金返済を含めた毎月の支出を少しでも減らしたい、そう考えてクレジットカードをリボ払いにする人もいるかもしれません。

しかし、リボ払いは毎月の支払額を抑える一方で返済期間が長期化し、支払い手数料が増え続けます。毎月の支払いが手数料分の支払いに充てられてしまうため、いつまでも残高が減らない事態に陥るリスクがあります。

リボ払いにしたことで完済できない、もう返済することができない状態に陥れば、結局債務整理などに頼らなければいけなくなってしまいます。

残高が減らない、支払いが負担で苦しい場合は、速やかに専門家に相談することが解決の道です。

借金は原則5年で時効になるが時効は中断される場合もある

借金に時効があると聞いたことがあるかもしれません。

原則として、借金や利息は支払期日(最終返済日)から5年が経過すれば時効により消滅します。

ただし、時効を成立させるためには注意すべきポイントがあります。

  • 借金や利息を1円でも支払えば時効が中断・更新される
  • 借入先が裁判を起こし、請求を認める判決が出た場合も時効が中断・更新される
  • 5年が経過しても時効の援用手続きをしなければ時効の成立とはならない

借金の時効を成立させるためには、時効期間に返済の意思を示すことがなく、一切に返済もしないこと、そして時効の援用を行うことが条件となるのです。

時効の援用は、お金を借りた人が借りた相手(借入先・債権者)に対して「借金が時効を迎えたため返済義務はなく返済しない」と伝えることです。

ただし、時効は中断・更新するケースがあります。時効を迎えていないにも関わらず時効の援用を行うと、遅延損害金を含めた借金の一括返済を求めてくるリスクがあります。

借金時効が本当に成立しているかどうか、確実なものだと判断することが求められるため、時効の援用に詳しい弁護士に相談し、確認するようにしましょう。

任意整理の具体的な手続きプロセスと注意点

任意整理を進める際、手続きのプロセスを理解し、事前に準備を整えることが重要です。以下に、任意整理の一般的なプロセスとその際の注意点を解説します。

1. 専門家への相談

まずは、任意整理を行うために弁護士や司法書士などの専門家に相談します。この段階で、借金の総額や個々の貸金業者、返済状況を明確にし、専門家と相談して最適な債務整理方法を決定します。

2. 債権者への受任通知の送付

専門家が貴方の代理人となり、債権者(貸金業者)に受任通知を送付します。これにより、以降の債権者からの直接連絡がストップし、交渉は専門家を通じて行われます。

3. 返済計画の策定

専門家は、債権者ごとに貴方の返済能力に基づいた返済計画を策定します。この計画には、返済総額の減額や月々の返済額、返済期間などが含まれます。

4. 債権者との交渉

専門家は策定した返済計画に基づいて債権者と交渉を行います。この交渉により、返済条件の調整が行われ、和解が成立します。

5. 返済の再開

和解が成立した後、新たな返済計画に従って返済を再開します。この際、返済が遅れないように注意することが重要です。

注意点:任意整理の影響

任意整理を行うと、個人信用情報に影響が出ます。信用情報に「任意整理を行った」と記録され、新たな借入やクレジットカードの利用に影響が出る可能性があるため、注意が必要です。

任意整理のメリットとデメリット

任意整理は債務整理の中でも比較的柔軟性が高く、多くの人に選ばれる方法です。しかし、メリットと共にデメリットも理解する必要があります。

任意整理のメリット

  • 利息のカット:将来発生する利息をカットでき、返済総額を減少させることが可能です。
  • 裁判所を通さない手続き:個人再生や自己破産と異なり、裁判所を通す必要がないため、手続きが比較的迅速に進みます。
  • プライバシーの保護:家族や職場に知られることなく手続きを進めることができます。
  • 選択的債務整理:特定の債権者だけを対象に整理を行うことができ、例えば住宅ローン等はそのまま維持することが可能です。

任意整理のデメリット

  • 信用情報への影響:個人信用情報に記録され、一定期間新たな融資を受けにくくなります。
  • 完全な借金の免除は不可能:元本は減額されず、返済は続ける必要があります。
  • 債権者の同意が必要:任意整理は債権者の同意が必要なため、全ての債権者が合意するとは限りません。

任意整理の成功例と失敗例

任意整理を成功させるためには、事前の準備と正確な情報が不可欠です。以下に、成功例と失敗例を挙げ、それぞれのケースでのポイントを解説します。

任意整理の成功例

  • 正確な借金額の把握:全ての債権者と借金額を正確に把握し、専門家に伝えることで、適切な返済計画が立てられました。
  • 迅速な行動:借金の返済が困難になった初期段階で専門家に相談し、早期に手続きを開始することで、より多くの利息を削減することができました。
  • 債権者との良好な交渉:専門家を通じて債権者との良好な交渉を行い、合意に至ることができました。

任意整理の失敗例

  • 情報の不正確さ:借金の総額や債権者を誤って伝えたことで、適切な返済計画が立てられず、交渉が長引いたケースがあります。
  • 返済計画の不遵守:和解後の返済計画に沿った返済を行わなかったため、再び財務状況が悪化した例があります。
  • 債権者全員の合意が得られない:全ての債権者が任意整理に同意しなかったため、一部の債務が残り、計画通りに返済が進まないケースもあります。

任意整理における専門家の選び方と重要ポイント

任意整理を成功させるためには、適切な専門家を選ぶことが非常に重要です。以下に、専門家を選ぶ際のポイントを挙げます。

1. 専門家の経験と専門性

任意整理の経験が豊富な弁護士や司法書士を選ぶことが重要です。債務整理に関する専門知識と実績がある専門家は、複雑なケースにも対応でき、迅速な解決へ導くことが可能です。

2. 費用の透明性

任意整理に関わる費用の詳細を明確に提示してくれる専門家を選ぶことが大切です。初期費用、着手金、成功報酬などの費用構造が事前にわかると、後々のトラブルを避けることができます。

3. コミュニケーション能力

債務整理は精神的にも負担が大きいプロセスです。相談しやすく、親身になってくれる専門家を選ぶことで、プロセス全体がスムーズに進行します。

4. 口コミや評判の確認

以前に任意整理を依頼した人の口コミや評判を参考にすると良いでしょう。実際にサービスを受けた人の意見は、専門家を選ぶ際の重要な参考情報となります。

任意整理後の生活再建と返済計画の維持

任意整理を行った後は、財務状況の再建と安定した生活の確立が必要です。以下に、そのためのアドバイスをいくつか示します。

1. 返済計画の厳守

和解後の返済計画を厳守することが、信用の回復と借金問題の解決への最初のステップです。返済計画に沿ってコツコツと返済を続けることが重要です。

2. 支出の管理と節約

日々の支出を厳しく管理し、無駄な出費を削減することが、返済能力を維持し、将来の貯蓄につながります。定期的な家計の見直しも効果的です。

3. 収入の増加に向けた取り組み

可能であれば、収入を増やすための取り組みを検討すると良いでしょう。副業や資格取得、スキルアップなどを通じて、長期的な収入の増加を目指します。

4. 緊急時の資金確保

将来の緊急事態に備えて、少しずつでも貯蓄を行うことが重要です。急な出費に対応できるようにすることで、再び借金に頼ることなく、財務状況を安定させることができます。

5. 信用情報の修復と再構築

任意整理後は、信用情報が損なわれているため、信用の再構築に努めることが大切です。返済計画を守ることにより、徐々に信用情報が改善され、将来的には新たな金融サービスの利用も可能になります。

6. 借金に頼らない生活習慣の構築

借金を繰り返さないためには、生活習慣を見直し、借金に頼らない経済管理を心掛けることが重要です。無計画な消費を避け、計画的な財務管理を行うようにしましょう。

任意整理の成功を左右するキーポイント

任意整理を成功させるためには、いくつかのキーポイントがあります。以下に、成功を左右する重要なポイントを挙げます。

1. 早期の対応

債務問題が明らかになった段階で早急に専門家に相談し、任意整理の手続きを開始することが重要です。遅延するほど問題は複雑化し、解決が難しくなります。

2. 正確な情報の提供

専門家に対し、正確かつ詳細な借金の情報を提供することが必須です。誤った情報は、適切な返済計画の妨げとなり、交渉に支障をきたす可能性があります。

3. 債権者とのコミュニケーション

債権者との良好なコミュニケーションを維持することも重要です。専門家を介しても、返済の意思を明確に伝え、債権者の理解を得ることが、スムーズな交渉につながります。

4. 現実的な返済計画の策定

返済能力に合わせた現実的な返済計画を策定することが、任意整理の成功には不可欠です。無理のない計画であれば、長期的に安定した返済を続けることが可能になります。

5. 専門家との継続的なコミュニケーション

任意整理の手続き中はもちろん、和解後も専門家との継続的なコミュニケーションを保つことが大切です。不明点や問題が生じた場合は迅速に専門家に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。

任意整理の際に考慮すべき返済オプション

任意整理では、複数の返済オプションが可能です。以下に、主なオプションとその特徴を説明します。

1. 分割返済

最も一般的な返済方法は分割返済です。返済能力に応じた月々の返済額を設定し、計画的に返済を進めます。返済期間は通常3~5年程度に設定されます。

2. 一括返済

一定の財源がある場合、一括返済を選択することで、返済期間を短縮し、利息の総額を減らすことができます。ただし、一括返済は多くの資金を必要とするため、全員に適用されるわけではありません。

3. 繰り上げ返済

月々の返済に加えて、余裕があるときに追加で返済する方法です。繰り上げ返済を行うことで、返済期間の短縮と利息の削減が可能になります。

4. 遅延利息の免除

交渉により、遅延利息の一部または全額を免除してもらうことも可能です。これにより、返済総額を減少させることができます。

任意整理後のクレジットスコアの回復方法

任意整理後は、クレジットスコアが低下しますが、適切な行動により徐々に回復させることができます。

1. 返済計画の順守

任意整理で合意した返済計画を守り、期限内に返済を続けることが、クレジットスコアの回復には最も重要です。

2. 新たな信用履歴の構築

任意整理後、小額のローンやクレジットカードを利用し、適切に返済を行うことで、新たな信用履歴を構築することができます。

3. 定期的な信用情報の確認

信用情報機関から定期的に自分の信用情報を確認し、誤った情報がないかチェックしましょう。誤った情報がある場合は、訂正を申し立てることが重要です。

4. 経済状況の安定

安定した収入と支出のバランスを保ち、経済的な安定を図ることも、信用情報の回復に寄与します。

任意整理と他の債務整理手続きとの比較

任意整理と他の債務整理手続きとは、それぞれ特徴が異なります。以下に、主な債務整理手続きと任意整理の比較を示します。

個人再生

  • 特徴:借金の一部を免除し、残りを3~5年で返済する手続き。特に住宅ローン特例があり、自宅を維持しながら借金の一部を免除できる。
  • 任意整理との違い:裁判所の手続きが必要であり、比較的大きな借金に対応できるが、手続きが複雑で時間がかかる。

自己破産

  • 特徴:返済不能な状態にある場合、裁判所を通じてほぼ全ての借金を免除してもらえる。
  • 任意整理との違い:重大な経済的再出発を目的とし、クレジットヒストリーに大きな影響を与える。また、一部資産の処分が必要となることがある。

過払い金請求

  • 特徴:法定利息を超えて支払った利息(過払い金)を貸金業者に返還請求する手続き。
  • 任意整理との違い:過払い金の存在がある特定のケースにのみ適用される。借金の減額や免除ではなく、払い過ぎた利息の返還を目的とする。

任意整理後の再起を支えるサポートシステム

任意整理を行った後の経済的再建を支援するため、さまざまなサポートシステムが存在します。

法テラスの利用

法テラスでは、債務整理に関する無料相談や費用の立て替えサポートが受けられます。これにより、経済的に困難な状況にあっても専門家のサポートを受けることが可能です。

消費者金融の相談窓口

多くの消費者金融には、債務整理後の返済計画や金融相談に対応する窓口が設けられています。これらの窓口を活用することで、返済計画の見直しや再建に関するアドバイスを受けることができます。

クレジットカウンセリングサービス

専門のカウンセラーが、借金問題や財務管理に関するアドバイスを提供します。債務整理後の再建計画の策定や、将来的な財務管理に役立てることができます。

任意整理を決断する前に考慮すべきこと

任意整理は一つの解決策ですが、決断する前に以下の点を考慮することが重要です。

1. 全体的な財務状況の再評価

借金以外の資産や収入、支出を総合的に再評価し、本当に債務整理が最適な選択肢であるかを検討する必要があります。時には、予算管理の見直しや収入源の増加によって、債務整理を回避できる場合もあります。

2. 債務整理の影響の理解

任意整理が個人信用情報に与える影響を理解し、それによって新たなローンやクレジットカードの利用に制限が生じることを受け入れる必要があります。また、家族や職場に与える影響も考慮することが重要です。

3. 長期的な視点を持つ

任意整理は、一時的な解決策ではなく、長期的な財務状況の改善に向けた一歩です。そのため、将来の財務計画や生活設計にどのように影響を与えるかを考えることが必要です。

4. 専門家との協議

任意整理を行う前には、必ず法律の専門家に相談し、自分の状況に最適な債務整理の方法を検討すべきです。専門家は、法的な観点から最も適切なアドバイスを提供できます。

5. 代替案の検討

任意整理以外にも、借金問題を解決する方法は存在します。返済計画の見直し、低利息のローンへの借り換え、収入の増加など、他の選択肢も検討することが大切です。

任意整理経験者からのアドバイス

最後に、任意整理を経験した人々からの貴重なアドバイスを紹介します。

1. 決断は早めに

借金問題を放置すると、状況はさらに悪化するだけです。問題を認識したら、早めに専門家に相談し、適切な手続きを開始することが重要です。

2. すべての選択肢を検討

任意整理は一つの解決策に過ぎません。他の債務整理手続きや、返済計画の見直しといった代替案も検討し、最適な選択を行うことが大切です。

3. 継続的な財務管理と自己反省

任意整理後は、継続的な財務管理と自己反省が不可欠です。借金を繰り返さないためには、日々の支出を厳しく管理し、計画的な財政運営を心掛けることが必要です。

4. 心理的サポートの活用

債務整理は精神的にも大きな負担となります。家族や友人、または専門のカウンセリングサービスを利用し、心理的なサポートを受けることも重要です。孤立せず、支援を求めることで精神的な安定を保ちながら問題に取り組むことができます。

5. 金融教育の重視

借金問題を経験した後は、金融に関する教育を受けることも有効です。財務管理、予算立て、投資などに関する知識を深めることで、将来的に賢い金融判断を下すことが可能になります。

6. 貯蓄と予備資金の確保

将来の不測の事態に備えて、貯蓄を心掛けることが大切です。予備資金を確保することで、緊急時に借金をすることなく対応できます。

まとめ:任意整理は問題解決の一歩

任意整理は、多重債務や借金問題を解決するための一つの手段です。しかし、これはあくまで問題解決への第一歩に過ぎません。成功した任意整理の後も、財務管理を徹底し、借金に頼らない生活を送ることが重要です。

再発防止のための意識改革

借金問題を繰り返さないためには、自分の支出パターンや金銭管理について深く理解し、意識を改革する必要があります。借金をする前に、他の解決策がないかを常に考えるようにしましょう。

経済的自立の追求

長期的な視点から、経済的自立を目指しましょう。収入の増加、支出の削減、貯蓄の増加など、安定した財務基盤を築くことが、借金問題からの完全な解放への鍵です。

最終的に、任意整理は一時的な解決策ではなく、借金からの解放と財務的自由を目指すためのスタートラインです。この機会を活かし、賢明な財務管理と経済的自立を目指すことが、真の問題解決につながります。

債務整理の任意整理費用は5~15万円程度が相場

借金に困ったときは国の借金救済制度である債務整理を利用することで返済負担を減らすことができます。任意整理は将来利息をカットするものであり、裁判所を通すことなく手続きできるので誰かに知られるリスクが低い方法です。

任意整理の費用には収入印紙代や郵送費などの実費と弁護士費用として5~15万円程度がかかります。ただし、着手金については1件ごとにかかってくること、成功報酬があることから、借金件数が多く借金額が大きいほど費用が増えていきます。

任意整理は個人で行うこともできますが、相手が交渉に応じてくれない可能性もあるので弁護士・司法書士など専門家に依頼することが望ましいでしょう。弁護士費用は分割払いが出来ることもあります。専門家に相談する際には費用について事前にしっかり相談し、納得した上で依頼することが大切です。